青色申告の特典について

2021/3/10

2021/03/10

青色申告することによる特典についてです。

青色申告の主な特典

青色申告の主な特典としては次のとおりです。

  • 少額減価償却資産の取得価額の必要経費算入の特例
  • 青色事業専従者給与の必要経費算入
  • 青色申告特別控除
  • 純損失の繰越しと繰戻し

少額減価償却資産の取得価額の必要経費算入の特例

取得価格が30万円未満の減価償却資産を購入した場合に、取得した年に一括で経費に計上できます。ただし30万円未満のものならすべて認められるわけではなく、年度内で合計300万円までと定められています。

これは租税特別措置法の第28条の2で定められています。

租税特別措置法の第28条の2 抜粋
~その取得価額が三十万円未満であるもの~については、所得税法第四十九条第一項の規定にかかわらず、当該少額減価償却資産の取得価額に相当する金額を、当該中小事業者のその業務の用に供した年分の不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入する。~

青色事業専従者給与の必要経費算入

生計を一にしている配偶者やその他の親族への給与は原則として必要経費になりません。青色申告することに加え、次の要件を充たせば、給与を必要経費にすることができます。
原則として必要経費にならないので、要件は少し細かいです。

(1)青色事業専従者に支払われた給与であること
青色事業専従者とは、次の要件のいずれにも該当する人をいいます。

イ 青色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること。
ロ その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること。
ハ その年を通じて6月を超える期間(一定の場合には事業に従事することができる期間の2分の1を超える期間)、その青色申告者の営む事業に専ら従事していること。

(2)「青色事業専従者給与に関する届出書」を納税地の所轄税務署長に提出していること。提出期限は原則、その年の3月15日までです。

(3)届出書に記載されている方法により支払われ、しかもその記載されている金額の範囲内で支払われたものであること。
事前に金額の大枠を設定し、その金額の範囲内で支払う必要があります。

(4)青色事業専従者給与の額は、労務の対価として相当であると認められる金額であること。労務の対価として過大とされた部分は必要経費となりません。

青色申告特別控除

正規の簿記の原則により記帳し、その記帳に基づいて作成した貸借対照表及び損益計算書を確定申告書に添付して法定申告期限内に提出している場合には、最高55万円を控除できます。
なお、電子帳簿保存又はe-Taxによる電子申告を行っている場合は、65万円の青色申告特別控除が受けられます。
詳細はこちらの記事をご参照ください。

純損失の繰越しと繰戻し

事業所得などに損失(赤字)が発生した場合で、損益通算の規定を適用してもなお控除しきれない部分の金額(純損失の金額)が生じたときには、その損失分を翌年以後3年間にわたって繰越すことが可能で、各年の所得金額(黒字)から控除できます。

また、前年度が黒字だった場合(前年も青色申告をしていることが前提)、純損失の繰越しに代えて、今年度の純損失額を前年度分に繰戻して控除し、前年度分の所得税額の還付を受けることも可能です。

所得税法第70条 抜粋
確定申告書を提出する居住者のその年の前年以前3年内の各年(その年分の所得税につき青色申告書を提出している年に限る。)において生じた純損失の金額~がある場合には、当該純損失の金額に相当する金額は、政令で定めるところにより、当該確定申告書に係る年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額の計算上控除する。

所得税法第140条 抜粋
青色申告書を提出する居住者は、その年において生じた純損失の金額がある場合には、~第1号に掲げる金額から第2号に掲げる金額を控除した金額に相当する所得税の還付を請求することができる。
一 その年の前年分の~所得税の額
二 その年の前年分~から当該純損失の金額の全部又は一部を控除した金額につき~計算した所得税の額

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